残りの人生を夫婦でのんびりと

黒木 マサ子、民男 さん

前住地
宮崎県日向市美々津町
移住後の仕事
水産会社勤務(民男さん)
U・Iターン別
Iターン
移住した年
2016年

移住のきっかけは?

残りの人生を夫婦でのんびりと

夫と私は、私の地元の愛知県で知り合い結婚しました。結婚後は調理師だった夫と飲食店を経営していましたが、10年経ったところで一番下の子が喘息にかかったのを機に、夫の実家がある宮崎県日向市に移りました。

日向市では20年近く社員食堂にテナントとして入っていましたが、オーナーさんの事情で契約が終了し、その後は道の駅やスーパー等に出す総菜を作って卸す仕事を始めました。

私はその時60歳で、365日朝3時から総菜を作って取引先に配達するのは体力的にもきつく、毎日大変でした。

忙しく働くうちに子供が6人とも自立して、気づけば広い家に夫婦2人きり。ちょうど家のローン返済にもめどが立った頃だったので、じゃあそろそろ店をたたんで、これからは小さな古民家でも買って、二人でのんびり暮らしたいねということになったんです。

移住の決め手は何でしたか?

夫の強い希望と市役所の担当者さんの人柄

移住先はインターネットの空き家バンクを活用して、大分県の海沿いの地域を中心に2年かけて探しました。気に入った物件を見つけたら夫と二人でドライブがてら家を見に行って。

その中でも私は豊後高田市や宇佐市の景色が気に入っていたんですけど、特にこだわりはなくて。そしたら夫が釣りが大大大好きで、佐伯が良い!って。それで結局夫の釣りが楽しめて、引っ越しも日向市から近いということで、佐伯市が第一候補になりました。

そして最終的に決め手になったのが、佐伯市役所地域振興課の担当者さんの人柄でした。とても献身的にお世話をしてくださって、頼りになる人に相談できたおかげで移住を決めることができました。

移住に向けた準備はどのようにされましたか?

準備は完璧!のはずが…

移住に伴う公的な手続きや引っ越しは完ぺきでしたが、生活を始めてから、準備が足りなかったなぁと気づきました。

我が家には猫が4匹いて、日向市の頃は近所に大きな道路があったので家の中で飼っていました。でも移住後は外で安全に遊ばせられるようになって、よかったと思っていたのですが、近所に猫が苦手な方がいることがわかって。移住前に何度か足を運んで近所の状況を確認しておけばよかったですね。

よその地域には「地域猫活動」といって地域を挙げて野良猫の問題に取り組むところがあります。だから我が家でも、うちで餌をあげている野良猫に自費で避妊手術をしたり、周りに迷惑をかけないよう管理していますが、こちらではまだまだ難しい問題のようです。


仕事や住居はどのようにして見つけましたか?

自分は引退し、夫はハローワークで見つけました。

私は60歳を過ぎたことを機に引退して、8つ下の夫はそれまでずっと自営業だったのですが勤めに出てくれることになったので、佐伯市のハローワークで仕事を探して、現在は水産会社に勤めています。

空き家バンクの活用

移住しようと決めてからはどんな家に住もうかと、一日中田舎暮らしの情報雑誌やインターネットの空き家バンク情報を見て物件を探しました。

空き家バンクで大分県の沿岸部に良い物件をいくつか見つけて、二人でドライブがてら見て回っているうちに、夫が佐伯市の物件を気に入って。夫は移住費用のことも考えて自分たちで引っ越ししようと考えていたらしく、引っ越しの準備を全て引き受けてくれたので、じゃあ日向市から近くて引っ越しが楽な方が良いねということになり、今の家に決めました。

 

移住前と移住後での暮らしはどう違いますか

自営業の忙しさから解放され、穏やかな日々

日向市で早朝から総菜を作って卸す仕事をしていた頃はもうとにかく毎日忙しくて、年齢的にもきつくて大変でした。でも引退して佐伯市に移住してきてからは、収入は減りましたが夫婦の会話も増え、テレビを見たり猫と遊んだり、とてもゆったりとした時間を過ごすことができるようになりました。

夫は大好きな釣りが毎日できるので楽しそうにしていますし、ずっと自営業だったので勤めに出るのは初めてですが、職場環境にも恵まれているようで、今が一番だといって、毎日楽しそうに帰ってきます。

家は以前より狭くなったけど、二人だったら十分だし、ちょっとドアを開けて夫を呼んだらすぐに声が届いて。温かみがあって、良い家です。

 

移住後の暮らし(楽しみ、苦労したこと)

不便な外出

私の足が悪く、買い物ができる店も遠いので移動は主に車なのですが、生活道路が狭くて、出かけるときは毎回ひやひやしています。移住前に物件を一度しか見に来なかったので、「まぁこれくらいなら大丈夫か」と安易に考えてしまっていたんですね。

夫の気に入った土地で一緒に暮らすのが一番の幸せ

生活の中で不便なことはありますが、それが別に大したことじゃないと思えるのは、夫の気に入った土地で、夫婦一緒に暮らせるからです。夫は、趣味の釣りはもちろん楽しいと思いますが、年齢的にも体力的にも大変だろうに楽しそうに仕事に行って、毎日にこにこして帰ってきてくれます。

日向市で忙しくしていた頃のことを考えると、笑顔で働けるというのは、とてもいいことだなって思うんです。

佐伯市に移住を考えている人に一言

移住先の周辺状況を確かめること

これから移住する方は、移住後の生活をイメージして準備することが大事だと思います。

私はこちらで生活を始めてから、移住する前に移住先の状況をもっとよく確認しておけばよかったなぁと実感しました。

我が家の場合は、ご近所と猫のことや生活道路の狭さ、店の遠さのことです。私たちの場合、周辺状況を確認できる機会が物件を決めるときの一度きりで、近所にどんな方たちが住んでいるのかまでは分からなかったし、道幅や店の遠さについてはなんとかなるさと安易に考えていました。今は納得して暮らしていますが、やはり多少は不便を感じています。

移住先の候補にはできるだけ足を運び、周辺の状況を調べておくとよいと思います。

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