私が探していたものは、佐伯にありました

内田 豪 さん

前住地
埼玉県戸田市
移住後の仕事
飲食業(coffee 5)
U・Iターン別
Uターン
移住した年
2013年

移住のきっかけは?

一生の仕事を探して転職を決意

佐伯に帰ってくるまでは、東京でバンド活動をしながら、お菓子の小売業の会社に勤めていました。仕事もバンドも楽しかったのですが、20代後半になってバンドに見切りをつける時期がきて、これから何か一生をかけてできる仕事がしたいと思い、転職を考え始めました。

佐伯をどうにかしたいという思い

佐伯には、2年に1度は帰省していましたが、その度に、少しづつ寂しい町になってきているのを感じていました。町がまだ栄えていた頃と比べると人口も減っていて、楽しいことっていうのも、自分の高校時代と比べて少なくなっているのかなと。それから自分が佐伯でできることは何だろうと考えるようになり、佐伯へのUターンを決めたのが、移住のきっかけです。

移住の決め手は何でしたか?

佐伯に帰りたいと思ってもらえるような場所を作りたくて

27歳で帰省後、これからずっと続けていけることは何だろうと考えました。

その頃、周りにも今は市外に出ているけれど、いつかは佐伯に帰りたいと思っている同級生がいて、でも帰省の度に変わりゆく佐伯の町の様子をみると、みんな地元に帰りたがらないんじゃないかと思ったんです。それで、佐伯に帰りたいなと思うきっかけになるような、何かを作りたいと思うようになりました。

私が探していたものは、佐伯にありました

そんな風に考え始めてからも、喫茶店を開業することは、はっきり見えてはいませんでした。
きっかけとなったのは、珈琲にはまっていた友達に影響されて、自分でも珈琲を淹れ始めたことです。それからは、自分が好きだと思える珈琲に出逢いたくて、東京中の喫茶店を回ったりしていました。

そんな中で、帰省した時に飲んだ佐伯ランブルさんの珈琲が、どのお店のものよりも好きだと気づきました。
私が探していた珈琲は、佐伯にあったのです。それで佐伯に帰って喫茶店を開業しようと決めました。

移住に向けた準備はどのようにされましたか?

喫茶店の開業準備

私の場合、市外に出ている人たちに、帰省したいという、きっかけになるようなものを作りたいという思いがありましたし、性格的に、不安を楽しさに変える方が早いと思っていたので、開業に向けての不安は、少なかったと思います。本当にたくさんの方々に、ご協力いただいて、開業することができました。

技術面は、珈琲豆の焙煎の行程などを、佐伯のランブルさんで教わりました。

店舗は、自分の好きな場所で開きたいと思っていたので、私が子供の頃に遊んでいた、祖父の田んぼを譲り受けて建てました。

開業にかかるお金については、あまり相談できる人がいなかったので手探り状態でした。結局色々が片付いた後で、組合や商工会のことを知りました。今考えると、逆の順番でできていたら、もっと効率的だったかもしれません。


仕事や住居はどのようにして見つけましたか?

住居は、Uターンだったので帰ってすぐは実家に住み、現在はアパートで暮らしています。

珈琲を通じて町に関わっていくことが、私の仕事だと思います。

佐伯に帰ってきてから感じたことは、子供の頃、商店街や夜市がにぎわっていたのは、当時、町を支えていた大人たちのおかげだったのかなということです。そして同時に、今度は私たちが町を支えていく番だと思いました。

喫茶店を通して、佐伯での楽しみが増えること、また佐伯で暮らしていて、楽しいと感じてくれる人が増えていくことが、何よりも幸せです。だからこれからも珈琲を軸に、楽しさを生み出せる場所であり続けたいと思います。

移住前と移住後での暮らしはどう違いますか

自然の豊かさに、癒されます

以前住んでいた埼玉県は、内陸だったので、海が見たくなっても、2時間以上かけて神奈川や千葉の方に行かないといけなかったのですが、佐伯に帰ってきてからは、海も山も川も、自然がとても近くに感じられるので、心が安らぎますし、とても癒されます。

楽しめる場所が少ない

都会は、街ごとに雰囲気が違うので、休日の度に次はどこへ行こうかと、動き回っていました。

佐伯に帰ってからは、生活での不便はないけれど、遊ぶ場所や、楽しめる場所は少ないのかなと感じています。

休日に市外からも佐伯に行きたいと思ってもらえるような、楽しさを感じれる場所が増えていくといいなと思います。

移住後の暮らし(楽しみ、苦労したこと)

世代を問わず、佐伯で楽しさを感じてもらえる場所を作りたい

場所があり、人が集まり、コミュニケーションが生まれて、そこから文化ができていく。
世代を問わず人と人を繋ぐことや、一人一人の居場所であることも、古くから喫茶店のカウンターが担ってきた大切な文化だと思います。

そして、その可能性を最大限に活かしたいと思い、
お店では、展示会やライブイベントなど様々な企画を定期的に開催しています。
佐伯での楽しみ方のひとつとして、少しでも感じてもらえるような場所になればと思っています。

また、何十年後かにこの町を担う、私たちよりも若い世代の人たちに、今よりももっと魅力的な佐伯になるように繋げていきたいと思います。

佐伯市に移住を考えている人に一言

佐伯の人の魅力が、この町に来るきっかけになったらいいなと思います。

佐伯市は自然も食も豊かなところですが、一番の魅力は、この町で暮らす「人」だと思っています。

佐伯に帰ってきて私が出会ったのは、佐伯が好きで、ここに住むことの楽しさや、ここで暮らしていくことを大切にしている方々でした。

豊かな自然や食も、そんな方々との出会いで、より印象的なものになっていくような気がします。例えば鶴見崎灯台に遊びに来て、おせっかいな地元のおじちゃんと出会って、楽しい話ができたら、旅行の思い出を誰かに話すとき、景色よりもそこで出会ったおじちゃんとの思い出を、話すかもしれません。

人を通して町の魅力が伝われば、佐伯にまた来たいって思ってもらえるんじゃないかなと思います。

Coffee 5
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